ずいぶん遅くなりましたが、8月17日〜9月6日までのコスタリカ出張の報告を、数回にわたってアップしていきます。
今回は第一回目です。
今回の渡航目的は主に2つあります。
ひとつは、私たち一般社団法人コスタリカ社会科学研究所が企画・運営するコスタリカの生物回廊農園「なまけものの通りみち」のキャンペーンのため、および農園現地調査、さらには今後の農園の拡大に向けての現地での打ち合わせ、コスタリカ政府が進めている生物回廊国家プロジェクトの調査などです。
もうひとつは、1980年代における中米和平交渉におけるコスタリカの議員外交についての調査です。
では、早速いってみましょう!
・8月17日…午前、福岡空港を出発。
3枚のエアチケットを持っているのがわかると思います。
これで福岡からコスタリカまで飛びます。
1枚目は福岡(FUK)→仁川(ICN)。
2枚目は仁川(ICN)→ロサンゼルス(LAX)。
3枚目が、LA(LAX)→サンホセ・コスタリカ(SJO)です。
なぜこのようなルートをとったかというと、理由は3つあります。
ひとつめは、単純に値段です。
この日付だと、このルートがほぼ最安値。
それでも、30万円を超えました。
コロナ前のオフシーズンだと15万円を切っていたことを考えると、8月とはいえかなりの値上がりです。
ふたつめの理由は、福岡空港から出国したいからです。
成田空港(NRT)は使い勝手があまりよくないので、行きの行程から疲れがどっと増してしまいます。自宅直近の空港からさっさと出国してしまったほうが、「出発=出国」となって手間も省けて楽なのです。
また、成田空港より仁川国際空港の方が使い勝手がいい。
2ヶ月前にも使っていたのでターミナルの地図も頭に入っているし、動きやすい。
最後の理由は、使用機材です。
ICN→LAXはエアバス社のA380。
現時点で世界最大の、総二階建て旅客機です。
10時間を超える太平洋超えフライトでは、座り(寝)心地の良し悪しがその後の行程に大きく影響してきます。狭い座席で缶詰の挙句エコノミークラス症候群にでもなれば、現地日程がおじゃんです(実際一度経験済み)。
その点で、A380ほどシートピッチが広い太平洋路線はありません。
ちなみに付加的な理由として、パスポートなどの致命的な忘れ物をしてもFUK出国にしていればリカバリー可能だということです。成田でパスポート忘れが発覚してなくなく搭乗できなかった岡山のお客様がこれまでいらっしゃいました…。その方はお仕事での渡航だったのですが、翌日自費でチケットを買い直して現地合流しました。公務員としてのお仕事だったので、さすがに個人のミスを税金でカバーするわけにもいかず…。
というわけで、まずはアシアナ航空で仁川へ。
長旅の始まりです!
研究所にサヨナラ!
Take off!
仁川へは約1時間半のフライト。
瞬速で機内食を平らげ、ICNにLanding!
仁川国際空港に到着しました。
福岡からだと成田に飛ぶより早いというのも、このルートを選ぶ理由です。
1時間40分という適度なトランジット時間を経て、午後2時過ぎ、いざロサンゼルスへ向けてA380に搭乗。
やはりでかい!
1階と2階の両方にボーディングブリッジが接続されている姿は壮観です。
というわけで、いざICN take off!
ものすごい重厚感。
B787 Dreamlinerなどとは重みがまったく違うのが、乗っていてわかります。
仁川からロスまでは約12時間、1万キロ弱の空の旅。
地球の全周が約4万キロなので、ざっくり言って地球1/4周です。
今回の想定(大圏)航路図はこちら。
実際には、ちょうど台風が日本海付近を通過していたため、実際には日本上空を迂回するルートで飛行しました。
往路は1階の窓側席。
足元はゆったりとしていて、普段の太平洋路線よりだいぶ余裕があったおかげで、疲れもいつもより少なくすみました。
長距離路線窓側座席のメリット…邪魔されず寝やすい。
長距離フライトは時差もあるし、ともかくいつどれくらい寝るかがその後の行程に大きく影響してくるので、私は可能な限り窓側を指定するようにしています。
今回はシステム不具合で窓側指定ができなかったのですが、うまいこと窓側の座席が割り当てられていました。
ただし、狙っていた2階席ではなかったので、帰路でどうにか指定できないか、トライしてみたいと思います。
ほぼ最後尾(万一の航空事故の際に一番生存率が高い場所!)だったので…
大昔に乗ったボーイング747以来、久しぶりに飛行機内で階段をみました。
※立ち入り禁止です
余談ですが、アシアナ航空といえば、いつも楽しみにしているのが機内食。
往復で6食+(軽食2回)いただきましたが、毎回コリアンフードを指定。
なんといっても、毎度提供されるコチュジャンが美味しい!
お土産に持って帰りたいくらいです(美味しいので毎回その場で消費しますが)。
というわけで、若干の遠回りを経て半日以上飛んだ後、LA到着は17日午前11時ごろ。
出発が17日午後2時過ぎ。
あれ?タイムトラベル…?
3時間ほど時を遡りました。
ここから約6時間ほどのトランジットです。
米国ではトランジットでも必ず入国審査を受け、税関を通過する必要があります。
最近は荷物はスルーできるようになったので、これでもまだマシになった方です。
しかも今回はアシアナ航空からアラスカ航空へと系列の違う航空会社を跨ぐフライトだったのですが、これも福岡からスルー。
いちいちピックアップが挟まると、その分ロストバゲージやバゲージの破損の確率も高まるので、これは非常に助かります。
とはいうものの、入国審査に1時間半…
久々に「あー、USAに来たなぁ…」と妙な感慨。
LAXーSJOは、今回初搭乗となるアラスカ航空。
いわゆるLCCです。
以前サンフランシスコ沖で有名な墜落事故を起こしていることを知っているので、ちょっとビクビクしながらの搭乗でしたが、そうそう墜落事故なんて起こるわけではありません。腹を決めて、コスタリカへ向けていざtake off!
LCCなので、機内食などはなく、無料で提供されるのはこれだけ。
機内がめちゃくちゃ寒かったのでCAさんにブランケットをお願いしたのですが、表情ひとつ変えず一言「ありません」。
いくらLCCとはいえ、さすがにこれは風邪をひきます…
ブルブル震える身を縮こめて6時間弱のフライトをやりすごしていたのですが、なにやらあたりの視程がどんどん短くなっていきます。
これはもしや…
そう、上空待機です。
以前、サンホセに着陸できず、パナマにダイバートされたことがありました。
その時は個人旅行だったし、翌日予定は入れていたのですが、パナマシティのヒルトンホテルを用意してもらってゆっくり休めた上に翌早朝の便ですぐにサンホセまで飛べたので、個人的にはむしろ一泊いい宿に泊まれてよかった…的な思い出となりました。
さて、今回は…
1回のゴーアラウンドのみで、無事17日午後11時すぎ、SJOにタッチダウン!
ボーディングブリッジから早速けもさんがお出迎えしてくれます🦥
入管への道のりでも、トゥカン(オオハシ)たちがお出迎え。
飛行機を降りてからイミグレーションまでのわずかな徒歩距離で、これだけ「いらっしゃーい!」アピールをされると、俄然気分も高まるというものです。
入管の列は少し並びましたが、手続きはいつも通り瞬速で通過。
ちなみにコスタリカの入国手順の面白いところは、イミグレとバゲージクレームの間に免税店があって、入国審査を終わってからバゲージを拾う前に免税店でお買い物ができるところ。
深夜11時台に到着する便が多いにもかかわらず、お店はあいてま
こんな国は他ではみたことありません(個人的に)。
バゲージクレームもコスタリカ色全開のウェルカムぶりはいつも通り。
というわけで、8月17日午前11時に福岡を出発して、同日午後11時、ようやくサンホセに到着しました!
すぐに空港タクシーを拾い、いつものようにドライバーとコスタリカやご本人の現状の話をうかがいながら一路サンホセ市街地中心部へ。
ニカラグアから30年以上前に移住してきた彼・ルベンは、今のニカラグアには政情不安がひどすぎて戻れないこと、コロナよりウーバーに仕事を奪われているほうが大変であること、最近ベネズエラ移民による犯罪が増えていることなどを語ってくれました。
パンアメリカンハイウェイをすっ飛ばし、ホテルに滑り込んだのが深夜12時前。
なんとか日付をまたぐことなく定宿まで辿り着くことができました。
とはいうものの、去年と雰囲気が変わっていて、あれ…?新しくなってる?
と思ったら…
いつも私が指定してる最上階バルコニー付きの部屋、入り口は以前と同じ。
部屋の中も何一つ変わっていませんでした。
ほっとしたような、ちょっと残念なような。
取り急ぎ、30年以上続けている定点観測写真を収めて、一息つきました。
39時間もあった、長い8月17日の終わりです。
翌18日と19日は時差調整と疲労回復のためひたすらホテルでお休み。
20日から、ぼちぼちと活動を開始していきます。
その模様は、次回に続きます。
乞うご期待!
<お知らせ>
一般社団法人コスタリカ社会科学研究所では、コスタリカカリブ海北部沿岸に生息するフタユビナマケモノの生息地拡大と地元農業との共存のため、現地における「生物回廊農園」創設を支援しています。
これは、現地の農業者たちがモノカルチャー的敢行農法を続けることにより化学薬品等で自然環境を汚染し、野生生物たちの生息環境を狭めたり悪化させたりすることなく、先住民族時代から続く有機無農薬の伝統的混合農法によって、人間とナマケモノをはじめとするあらゆる野生生物が共存できる区域を広げていこうとするものです。そのために、日本にいる皆様が、その農園にランダムに植える農作物=カカオ、バニラ、コショウ、コーヒーの「里親」になっていただくことで、生物回廊農園の存続と拡大を支援し、ナマケモノたちがローカルな人たちと安心して共存できる区域を皆で作ろうというものです。
私たちは、この生物回廊農園を「なまけものの通りみち」と名付けました。
この区画を作っているトラピチェ統合農園には、フタユビナマケモノの家族が住んでいます。彼らはこの農園でわずかに守っている森の中で暮らしていますが、農園そのものもまだ開発中であり、さらにその外にはまだ敢行農法を続けている農園もあり、出口がない状態に陥っています。
そこでまず、私たちはトラピチェ統合農園の中で、彼らが安心して動き回れる区画をひろげるため、彼らが生息できる「森の農園」の区域に植える木の里親になってもらう方々を募集しています。
まずは1000本の植樹が目標です(現在100本強)。
この事業が、生活スタイルとしても自然保護としても農園経営としても成功モデルとなれば、周辺地域にひろがっていきます。そうすることで、隣接する国立公園と森を接続でき、ジャガーやバクなどの超希少種まで含めた「生物多様性保護区」をつくることができます。
これは、「生物多様性国家プロジェクト」という政府プロジェクトの一環でもあり、2022年12月に締結された昆明ーモントリオール生物多様性枠組で明記された「国土の30%以上を生物回廊などの生物多様性保護区に指定すること」という目標にも合致したアクションです。
それを、国家や他人任せではなく、自らがその主体として参加してみませんか、という呼びかけでもあります。
ぜひこのリンクから概要をご覧になって、あなたも「なまけものの通りみち」となる生物回廊農園の木の里親になりませんか?
どうぞよろしくお願いいたします!
弊所公式サイトにも説明と申し込みフォームを掲載しています。
(もしくは、本サイトの上部タブ「なまけものの通りみち」からご覧になれます)
よろしければどうぞそちらもご覧くださいませ。
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