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2023年8月〜9月コスタリカ訪問記(その2) Pura Vida生物回廊

更新日:2023年12月10日


・8月20日…午後1時すぎ、国立劇場カフェテリアにて元西南学院副学長リディア・ハンキンス先生ご夫妻、近況報告等。

 夕刻アテナスへ、ディエゴ・アルセ宅再訪。

 ディエゴは2000年から始めた私のコスタリカツアー通訳・ガイド業の最初のガイドパートナーであり、現在でもコンビを組む仕事仲間です。

 彼はを鳥類とするネイチャーガイドですが、国内外の政治・社会・経済について造詣が深く、かつ一市民としての意見も忌憚なく主張するので、日常の意見交換の相手としても大切なパートナーです。

 若い頃は夜更けまで飲み明かしたりしたこともありましたが、今では夕涼みのベランダで宅飲みしながら政治や社会、経済、外交問題などについて語り合うのが私たちの定番。気のおけない家族や友人・知人とまったりした時間を過ごすことを好むのも、コスタリカ人ならではの典型的なPura Vida気質です。バタバタと何かに追われる感覚とは無縁で、今、目の前にいる人との時間をゆったりと楽しむ。それが人生における最高善であると言わんばかりに。



 この日は、夕方に近くのバーでシーフードスープとモヒートの簡単な晩餐を済ませ、暗くなった頃には宅飲みに移行。いつものようにベランダで宅飲みしながら個人的な悩みを打ち明け合ったり、共通の友人が抱える深刻な問題について解決策を話し合ったり。私にとっては頼れる兄弟のような存在です。最近のコスタリカ情勢についてもひとしきり議論がまとまった頃には、時計はもう10時を回っていました。さまざまな虫の音が鼓膜を心地よくくすぐる、コスタリカの典型的な田舎の穏やかな夜。久しぶりに心から安らぎを得てぐっすり眠れました。


・8月21日…午前、ディエゴの叔父・ダライ宅訪問。彼はバテア(木製のお盆)を作る手工芸者です。



 早速、彼の作品群を拝見しました。どれも素朴なつくりで、一本木から削り出した湾曲型の木材を粗めにやすりがけし、コスタリカに特徴的な果物などの絵柄をその中央に施してある、派手さは一切ないがテーブルの上にひとつおいておくと実におさまりのいい、主張しすぎない調和の取れた置物となります。




 工業を発展させるということにこだわらなかったコスタリカのひとたちは、このような素朴な工芸品を好みます。作るにしても、使うにしても。まさに、彼らが美徳とするPura Vida(素朴で純粋な生活や人生)を象徴するような手工芸品といっていいでしょう。



 一通り作品を見せていただいたあと、近隣にあるミツバチ野外博物館を訪問。



 ここも生物回廊プロジェクトの一環であることが、看板から読み取れます。



 看板の下の方に、環境エネルギー省(MINAE)、国家保全区域庁(SINAC)、国連開発計画(UNDP)などのロゴが並んでいることがわかります。


 コスタリカにはもともと24種の野生のハチが生息しており、ここにはそのうち17種が営巣しているそうです。

 運営しているのは普通の地元の民家。庭先に巣箱を作り、誰もがいつでも観察できるようになっています。



 コスタリカの原生種のハチにはいずれも針がないそうです。

 ハチは、多くの植物にとっての受粉媒介者。

 ハチがいなくなると人間の農業も成り立たなくなり、人類もあっという間に危機に陥ります。

 その意識も織り込み済みでの、この一市民によるプロジェクト。

 やはりエコロジー意識の浸透が広く深いこと印象を強く受けました。


 夕刻、ローカルバスにてサンホセに帰着。



 着替えがなくなったため、帰りの道すがら、Tシャツを買うためにサンホセの中央市場にある土産物屋に立ち寄りました。ここ最近いつもお土産を買いに行っているのですっかり仲良くなった店員さんのクリスティーナに、ナマケモノTシャツを見繕ってもらいました。



 ホテルに帰着した頃にはすっかり夜。

 定点観測をして翌日に備えます。



・8月22日…昼、元国連職員の安川順子さんと初顔合わせランチ。研究所と「けもみち」について概要説明。安川さんのキャリアなどについて拝聴。3時、アルマンド・モラ氏@国立劇場カフェリア。生物回廊についてと中米和平議員外交についての諸々コーディネートを依頼。



 現地調査はコーディネートなしには成立しません。この後、モラ氏のコーディネートによって大きく動いていくことになります。この場を借りて、あらためてモラ氏に感謝申し上げ

たいと思います。


ーーー

 アテナス訪問で分かったことは、コスタリカの生物回廊の「つくりかた」です。

 まずターゲット生物を定め、その生物の回廊となるようエコシステムを整備するスタイルです。ちなみにそれが私たちの場合、そのターゲット生物=ナマケモノというわけです。


 ただ、その整備は、わざわざ大掛かりなインフラ等を整備してつくるのではなく、地元のひとたちが自らの生活や営みの中に落とし込んでいくシステムなのだという部分が特徴です。家庭菜園や農園を営む人たち、農園で朽ちていく木を使って工芸品を作る人たち、そういった植物の連関を作っていく重要な媒介者であるミツバチの回廊を庭に作る人たち。地元の中で人間の生活とエコシステムとが絡み合い、ぐるぐると循環する様子を体感できました。これこそPura Vidaですね。


 なるほど、早速勉強になりました。


(その3へ続く)



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