21世紀を生きる私たちにこそ必要な「リベラル・アーツ」オンライン講座、開始します!
「わかる」ってなにかが、わからない!?
わからない。
いろんなことがわからない。
なぜわからないかもわからない。
そもそも、「わかる」ってなんだろう?
ロシアがウクライナに侵略するのは反対だ。
戦争反対だからだ。
でも、戦争反対なら、ウクライナがロシアに反撃するのも反対?
どちらが正しいの?
人間は、一度答えを出して「わかった」と思った瞬間、思考が停止してしまい、違う結論を出した人の話に一切耳を貸さなくなることがあります。上記の例でいうと、「戦争をやめるべきだ」という思いでは一致する人たちの間でも、「即時停戦」と「ロシアに徹底抗戦」という大きな意見の溝が見られます。その対立の背景にも、こんな思考プロセスが関係していると考えられます。
そのような状況を打開する力こそ、人間だけがもっている「科学的思考」なのです。
「わからない」を「わかる」ために必要なのは「科学」
もし科学的思考を一貫して続けられたら、多分以下のようになるはずです。
ーーー
「わかった」と思ったら、新たにわからないことが出てくる。
それを解決したと思ったら、さらに新たなわからないことが出てくる。
その過程で、自分が一旦「わかった」と答えを出した後に出てきた次の疑問に、当初自分とは反対の答えを出した人の意見を照らし合わせると、妙に整理できたりする。

「知」とはこのように、自分の中の、そして他人との、科学的思考のやり取りと積み重ねの中で育ち、より真実性への確信を増していくものです。
逆に、拙速に「わかった」と断定し、思考停止して科学的探究を諦めてしまうと、上記のように人びとは真実をめぐってさまよい、分裂し、やがて対立にまで発展します。
哲学とは、科学によって人びとに平和をもたらす知恵でもあるのです。
「科学」の根っこは「哲学」
情報が氾濫し、何が真実で何がフェイクかわからない現代にこそ必要な基礎教養ーー最近では、それを「リベラル・アーツ」と呼ぶことも多いようです。が、本来リベラル・アーツとは、「人を解き放つ土台となる科学的思考論」ともいうべきものであり、薄っぺらい知識の塊とは別のものです。
リベラル・アーツの目指すところは、上記のような終わりのない問答を整理するために、<「知る」とはなにか>を知ることです。たとえその答えが出なくとも、<知るとはなにか>を一度考えておくことで、安心して悩むこともできるし、「わかった」と思ったことに自信を持て、よりやさしく人に伝えやすくなります。
とはいうものの、<「知る」とはなにか>ということを正面から考えることもまた、難しい。そこで、これまで人類が積み上げてきた、<「知る」とはなにか>という問いと答えの積み重ねの歴史を追っていくことで、この難題をよりやさしく整理しようというのが、このオンライン講座が目指すところです。
また、ここでいう「知る」とは、言葉を変えると、「科学的な答えを出す」ということです。でも、ちょっと深く知ろうと思ったら、もうそこは小難しい専門用語の嵐の中。何かを知りたいはずなのに、自分が立っている場所さえわからなくなってしまうこともしばしばです。その原因のひとつに、「専門(学問)分野の細分化」があります。日々新しい分野が誕生する現代、本来なら学問分野の名前が冠されていたはずの大学の学部や学科の名称も、なんだかよくわからないといった始末です。
西洋哲学史を追うことで「わからない」を「わかる」へ
そこでここでは、細分化する前から存在した「すべての科学の発祥となった分野」であり、純粋に目の前にある、あるいは頭の中にある「真実」を追い求める科学である「哲学」を、時代を追って、みんなで一緒に眺めていきたいと思います。2500年もの時間を遡りますが、結局はそれが一番の近道であり、王道です。
ここでいう「哲学」とは、正確には古代ギリシャに端を発する「西洋哲学」です。つまり、この講座の具体的内容を一言で説明すると「西洋哲学史」ということになります。なぜそれが重要かというと、結局私たちが生きる日本社会は西洋型の社会システムを採用しており、そのシステムは西洋的哲学の土台の上に設計されているからです。つまり、私たちは自分達が生きている社会制度の「土台」を知らないまま暮らしているのです。最初にのべた「わからない」のおおもとは、ここにあることが多いのです。
講座の終了後にはきっと、みずからを科学的に解き放ち、自信を持って人生や社会のあらゆる「わからない」を「わかる」ように、あるいは少なくとも「わからないことがわかる」あるいは「安心してわからない状態でいられる」ようになることでしょう。それが、人類として進化するということでもあるのです。この講座で、「科学」を頭の中で一から築き直す作業を行い、一過性の流行りものではない「リベラル・アーツ」を身につけてみませんか?
ーーー概要ーーー
・期間:2023年7月〜12月(スタート:7月10日(月)20:00〜)
※6月26日(月)20:00〜 プレ講座(無料)を行います。まずはこちらにお気軽にご参加ください!プレ講座は以下のリンクのフォームに必要事項をご記入の上お申込みください。
・開催日 :2週間に1回 夜8時〜9時半(※詳細スケジュールは下記参照)
・内容 :「ソフィーの世界」の読解を中心に、西洋哲学史を概観しながら、自分の内部や周りの世界を違った目で見直してみることで、「これまでとは違った知に至る過程」を身につける。
・期間 :年末まで計12回(最終回・12月11日(月)) ※進捗や希望によっては延長あり
・参加費 :一般 30,000円/研究所サポーター会員 25,000円/学生 1万円
・主催 :コスタリカ社会科学研究所
・協力 :けもゼミ(大学生を中心とした自主学習ゼミ)
・使用文献:ソフィーの世界(ヨースタイン・ゴルデル/池田香代子訳、NHK出版、1995年)
※各自ご用意の上、事前に該当箇所をお読みいただいた上でご参加ください。
・参考文献:西洋思想の源流と展開 改訂版(藤田昇吾、文化書房博文社、2009年)
その他、毎回適宜講座の中でお伝えいたします。
・ファシリテーター:足立力也((一社)コスタリカ社会科学研究所代表理事/専門は平和学国際関係学、ラテンアメリカ哲学。福岡大学経済学部非常勤講師)
・お申し込み:以下のリンク先のフォームに必要事項を記入してお申し込みの上、参加費をお振り込みください。ご入金確認後、zoomリンクをお送りいたします。
お申し込みフォームリンク:
・振込先:
福岡銀行
博多駅前支店
(普)
3423080
一般社団法人コスタリカ社会科学研究所
・毎回、後日見逃し配信を行います。お申し込みされた方で当日参加できない場合には、そちらをご覧ください。
・可能な限り、インタラクティブ(双方向)な講座を目指します。参加者の皆様に発言を求めることがございます。みんなで楽しく学んでいきましょう!
・開催日(隔週月曜日午後8時〜9時半)
7月10日:第1回
7月24日:第2回
8月7日:第3回
8月21日:第4回
9月4日:第5回
9月18日:第6回
10月2日:第7回
10月16日:第8回
10月30日:第9回
11月13日:第10回
11月27日:第11回
12月11日:第12回
Comments