バニラについて、知らなかったこと
- Cegua
- 17 時間前
- 読了時間: 4分
更新日:8 分前
こんにちは。資料室司書のCeguaです。
「なまけものの通りみち」に、バニラを一本植えています。花がかわいいな、そして実ったらお菓子として食べられるな、というなんとも不純な動機で選びました。
植えた当日、2022年2月8日はこんな感じでした。

バニラは蔓性のため、「ポロ」というナマケモノが好んで食べる木に巻きつけて育てます。実際に現地を訪れたお客様による植え付けの様子を、以下の動画でご覧いただけます。
翌年、2023年8月にはこんなに大きくなりました。蔓が元気に伸びています。

そして、最新の2025年4月29日の写真では、こんな感じ。ほかのカカオやコショウもそうですが、3年でこんなに成長するなんて、さすが赤道近く!

実は写真に収まりきれないくらい、大きくなっているそうです(Ceguaはまだコスタリカへ渡航したことがなく…わしのバニラをこの目で見たことがありません)。
毎月、現地トラピチェ統合農園から、写真が届くのを心待ちにしてその成長を見守っているのですが、NATIONAL GEOGRAPHICさんの記事で、こうして育てて(もらって)いるバニラのことを何にも知らなかった!と打ちのめされたため、ご紹介します。
−−−
中南米が原産の、ランの一種であるバニラ。メキシコの東沿岸に住むトトナコ族によって栽培が始められたと考えられており、その後トトナコ族を征服したアステカ族がバニラを手に入れ、カカオが原料の「ショコラトル」という飲み物にバニラを加えて飲んでいたとのこと。
そのアステカ族を征服したスペイン人がやがてその飲み方を真似するようになり、17世紀初頭にはエリザベス1世の薬剤師が、チョコレートを使わないバニラ風味の砂糖菓子を考案してバニラは一躍主役の座に。18世紀にはフランスでアイスクリームの香味料としてバニラが使われるようになり…ここまではまあ、想像の範囲内(こんなに詳しくは知らなかったけれど)。
バニラがサフランに次ぐ高価なスパイスであること、受粉は限られた生物によって担われていること(原産地メキシコではオオハリナシバチとハチドリだそうです)、受粉しなかった花は24時間でしおれ落ちてしまうこと。
受粉に成功すると「バニラビーンズ」と呼ばれるさやの形をした実がなるけれど、さやが熟して収穫できるまで9ヶ月かかること、手作業で収穫した後も発酵・熟成に時間がかかること…
こんなに手間暇かかる「天然バニラ」の総生産量は2000トン…市場に出回っている99
パーセントが天然バニラではないとのこと!! 不勉強ながら全然知りませんでした。きっとわたしが今まで食べていたのは、全部”ニセバニラ”だったんでしょうね…
「けもみち」で育てているバニラも、他のほとんどのバニラ農園で行われているように、手作業で受粉させることを考えています。
ところが、嬉しいニュースがあります。
なんと、「けもみち」のバニラにミツバチが訪れていたのです!
以下は、その時の模様を捉えた貴重な一枚。

もしかしたら、「けもみち」では自家受粉も可能かもしれません。さすが、バニラの原生地!
そうなると、今「けもみち」で育てているバニラが、ますます愛おしく感じられてきます。早く花が咲かないかなあ、とはずっと思っていますが、咲いたら受粉してほしい、そして実をつけて、しっかり「商品」となって、バニラ市場に出てほしい!(笑)

実は2023年に開花した株があるのですが(残念ながら「わしのバニラ」ではないのですが…)、実をつけるには至っていない、けもみちのバニラ。今後ますますしっかり見守っていきたいなと気持ちを新たにしています。
バニラの他に、カカオ・コショウ・コーヒーから好きなものを選んで、ひと月¥1000から「木の里親」になれるプロジェクト、「なまけものの通りみち」。まだまだお仲間募集中です。場所はまだまだありますよ。
成長が目に見えやすいカカオ・コーヒー、そして同じく蔓性だけれど、実がなるのが早いコショウもオススメですが、希少性から言えばバニラがダントツ!ひとつだけでも、複数でも、また組み合わせてのお申し込みでも、OKです。
木のそばにはあなたのお好きなお名前のプレートを掲げます。アルファベットで12文字までという制限はありますが、お名前そのままでもいいですし、お子さんのお名前でも、好きなものでも。わたしのようにニックネーム(?)でもOKです。
*「Cegua」は、中南米に出没すると言われている、こわーーい妖怪です(笑)
どの木にするか、お名前を何にするか決めたら、以下からお申し込みくださいね!
Comments